

世の中にあるものすべてには「流れ」があります。川の流れ、季節の巡り、血液の循環……。同様に、目には見えない「気の流れ」というものが、この世には確かに存在します。
風水とは、その「気の流れ」をよみとり、操り、活用する術です。 いわゆる「運のいい人」とは、流れてくる良い気をしっかり受け止め、悪い気を受け流すことができる人のことです。 たとえば、四季の移り変わりを理解し、旬の食材が何か知っていれば、栄養素の高いものを安く手に入れることができますよね? 同じように、「気」の流れを理解し、調和することができれば、その時その場所にあった「気」を取り入れることができるのです。 「風水」という古くから伝わる知恵を借りて、自然と調和しながら、無理なく幸せな生活をおくりましょう |


では、「気」は一体どのように流れるのでしょうか? 簡単に言えば、「気」は、最も高い山の頂上で生まれ、尾根づたいに流れていきます。ゴツゴツとした山脈をうねるそのさまは、まさに「龍」が大地をはっていくかのようだということから、気の流れる道のことを風水では「龍脈(りゅうみゃく)」といいます。そして、気が集まる場所のことを「龍穴(りゅうけつ)」と呼びます。 |


「気」は大きくわけて「陰の気」と「陽の気」の二種類にわかれます。どちらが優れているということはなく、あらゆるものはこの「陰」と「陽」が調和してできているのです。 「陰」と「陽」は、それぞれ正反対の方向性をもちます。たとえば、男性と女性、静と動、夜と昼、生と死、といったように、対立する性質を万物に与えます。どちらか一方が欠けてもいけません。性質の違うふたつのものが絡み合うバランスによって、物事は調和しています。 また、物事は完全に「陰」と「陽」にわかれているわけではありません。たとえば、一日は朝からはじまり、陽の気が盛んになり昼になります。そこから陰の気が盛んになり夕方になり、夜になるのです。このように、陰陽のバランスは一定ではなく流動的に動いていきます。「陰」の中にも「陽を含む陰」があり、「陽」の中にも「陰を含む陽」があるのです。 その様子を表したのが、下記の図です。みなさんもこの陰陽のマークを一度は目にしたことがあるのではないでしょうか? |



流動的に流れている陰陽のバランスですが、大まかにいうと4つのバランスに分類することができます。「陰」はさらに、「陰の陰」、「陽の陰」にわかれ、「陽」は「陽の陽」「陰の陽」にわかれ、この4つを「四象(ししょう)」と呼びます。 四象をさらに陰と陽の4つにわけたのが「八卦(はっけ)」です。よく「当たるも八卦、当たらぬも八卦」でつかわれるあの「八卦」はここからきています。世の中のあらゆる事象は、この8つの性質「乾(けん)、兌(だ)、離(り)、震(しん)、巽(そん)、坎(かん)、艮(ごん)、坤(こん)」で見ていくことができるのです。 そして、私たちの生まれ年による方位の吉凶もこの8つうちのどれかにあてはまります。その性質のことを「本命卦」と呼びます。本命卦によって、あなたと相性の良い方位を割りだし、あなたが「気」のパワーをうまく取り込める環境を導きだします。 では、あなたの本命卦はいったいどれでしょうか? ![]() ![]() |
「陰陽」とならんで大切なのが、「五行説(ごぎょうせつ)」という考え方です。古来中国では、この世にあるものはすべて、「五行(木、火、土、金、水)」に属していると考えられていました。その五行が互いに影響し合い、共生して、万物を創っているのです。もちろん、私たち自身もこの五行によって成り立っています。風水では、五行の関係をうまく利用することで、ある五行を弱めたり、強めたりして、「気」を操り、バランスをととのえていくのです。 さて、その五行の関係とは、 ![]()
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この関係では、剋される五行は当然、剋す五行にパワーを大量に奪われますが、剋す側の五行もエネルギーを消費します。 たとえば、この関係を利用して、「火」の要素を弱めてみましょう。「火」を弱めるには3つの方法があります。 1.「水」を使って、「火」のパワーを剋す 2.「火」によって生み出される「土」を使って、「火」のパワーを「土」に流す 3.「金」を使い、「火」に「金」を剋させ、「火」のパワーを消費する 「水」で「火」を消すという1番のやり方がてっとり早いように思えるかもしれませんね。けれども、1と3の「剋し、剋される関係」というのは、五行がぶつかり合うため、反動が起こりがちです。したがって、2のように自然な方法でパワーを分散させるのが望ましいといえるでしょう。 ![]() |
では、風水の基本知識をおさえたところで、いよいよ「間取り」を見ていきましょう。 ここでは「八宅風水」という術をつかいます。 先ほど説明した「本命卦」から、あなたが良い気を得られる吉方位と、逆に、悪い気を受けてしまう凶方位がわかります。吉方位に、気の入口である玄関、長時間過ごす寝室やリビングを配置しましょう。逆に、凶位は、バスルームやトイレ、キッチンなどにして、気を流します。あるいは、物置きや棚などにあて、適切な利用法を工夫します。 また、「吉方位」「凶方位」と一言でいっても、実際には、活力を与えてくれる方位、のんびりできる方位、トラブルを招く方位などいくつか種類があるので、ぜひ知っておいてください。 |
■吉方位 |
「生気(せいき)」・・・活力が湧いて、積極的になれる最大吉方位 「天医(てんい)」・・・集中力が高まり、健康にもなれる大吉方位 「延年(えんねん)」・・恋愛運を高め、人間関係をよくする吉方位 「伏位(ふくい)」・・・家庭円満、平穏無事に過ごせる小吉方位 |
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■凶方位 |
「絶命(ぜつめい)」・・障害が多く、活力が減退する最大凶方位 「五鬼(ごき)」・・・・トラブルを招きやすく、病にも注意が必要な大凶方位 「六殺(りくさつ)」・・自堕落になり、ミスを招きやすい凶方位 「禍害(かがい)」・・・小さなトラブルに悩まされ、自信を失いやすい小凶方位 |
方位の意味がわかったら、玄関、寝室、リビングなどそれぞれの間取りの注意点を見ていきましょう。 |
間取りの注意点 |
・玄関![]() ![]() ![]() ![]() ・リビング ![]() ![]() ![]() ![]() |
さあそれでは、あなたにとって理想の間取りはどんなものでしょうか? ![]() |


「風水空間」でつかっている術は、中国古来から伝わる3つの術です。それぞれの主な用途をみていきましょう。 ■自分自身を知って開運する「八字風水(はちじふうすい)」 「本当の自分はどんな人?」その質問にこたえるのはとても難しいですよね。自分に合う「気」を見つけるためには、まず自分自身を知ることが大切です。あなたを構成する「五行」のバランスを知り、強めるべき五行の気、弱めるべき五行の気を知りましょう。 ■住まいと自分の相性を知り開運する「八宅風水(はったくふうすい)」 これは前述した「本命卦」を出すことで、生まれ持ったあなたの相性の良い方位を割りだし、部屋の間取りなどを決めていきます。日本ではあまり知られていませんが、中国では伝統的に伝わってきたごくポピュラーな術です。 ■良い気が集まる方位を知り開運する「奇門遁甲(きもんとんこう)」 「気」の流れは常に一定ではありません。季節や月、時間によって気の流れは変わります。その流れを理論化した最強の開運術がこの奇門遁甲なのです。方位盤が示す「吉方位」に向かえば、運気をつかむことができます。あまりに強力な術なので、古来中国では恐れられ、一般庶民が使用することを禁じられた術です。 |


